犬・猫の避妊手術

はじめに

女の子の犬・猫をお家に迎えた時に避妊手術をするか悩むオーナーさんが多いのではないでしょうか。
今回は避妊手術のメリットやデメリット、手術の方法(術式)について説明します。

 

避妊手術とは?

犬・猫は生後6か月齢で性成熟を迎え、初めての発情(生理)が見られます。
基本的に犬・猫は生後6か月齢を過ぎたら避妊手術ができます。
避妊手術とはメスに対して行う手術のことで、妊娠を避ける手術のことを言います。
卵巣と子宮を摘出する「卵巣子宮摘出術」や卵巣のみを摘出する「卵巣摘出術」などの手術方法があります。

解剖

お腹の中には卵巣と子宮が吊るされています。
子宮は動物が妊娠した際に胎子を育てる働きがあります。

 

術式

・卵巣摘出術
卵巣のみ摘出する方法です。
当院はこちらの方法で手術を実施しています。

・卵巣子宮摘出術
卵巣と子宮を摘出する方法です。

避妊手術のメリット

乳腺腫瘍や子宮蓄膿症、卵巣嚢腫、顆粒膜細胞腫など命に関わる病気を未然に防ぐことができます。

・乳腺腫瘍
犬は初回発情前に手術をした場合、乳腺腫瘍の発生リスクは0.05%に低下します。
猫は初回発情前に手術をした場合、乳腺腫瘍の発生リスクは8%に低下します。
猫の乳腺腫瘍は85%が悪性なので、避妊手術で予防することのメリットは十分にあります。
・子宮蓄膿症
子宮の中に膿が溜まってしまう病気です。発情休止期でなることが多く、高齢で罹る確率が上がります。
・卵巣嚢腫、顆粒膜細胞腫

 

避妊手術のデメリット

・肥満(太りやすくなる)
避妊手術後はホルモンの影響で食欲が増進、このことから肥満になりやすいです。体重の増加がみられる場合、フードの量を調整します。
・妊娠できなくなる
子孫を残すこと(ブリーディング)を考えるようであれば避妊手術はしないほうがいいです。

 

避妊手術の流れ

入院期間は犬2泊3日猫1泊2日となります。

当院では手術前日の21時から絶食絶水をお願いしています
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手術当日の朝は10時までに病院に連れてきてもらいます
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院内で血液検査・心電図で問題ないことを確認してからお預かりします
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外来終了後に避妊手術を開始します
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手術後は入院室へ移動し、退院までゆっくり過ごしてもらいます

 

発情が来ている場合、卵巣と子宮から出る血管が太くなります。

血管が太くなると出血しやすくなるので、発情終了1か月後に手術は延期となります。

 

猫は発情時に出血がないので、手術をしている際に血管が太くなっていることがあります。発情時は手術方法が変わるので、別途で費用がかかります。

退院後の流れ

犬・猫ともに7-10日後に抜糸を実施します。
傷口を舐めると膿んだり、糸が取れたりします。
抜糸まで傷口を舐めないようにエリザベスカラーや術後服の着用をお願いしています。
当院ではエリザベスカラーや術後服をご用意しています。お気軽にご相談ください。

 

まとめ

当院では傷口が小さくなるように卵巣摘出術を実施しています。
避妊手術のメリットデメリットを考えたうえで、ご家族で手術の決断をして頂けたらと思います。些細なことでも構いません。気になることがありましたら一度診察にいらしてください。

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ひたち滑川丘動物病院

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